2023/08/06

USBケーブルの謎 (2)

 さて、前回までは、結局USBのTypeAという規格では、電源の+/-、 差動によるデータ線(差動なので、2本で1データラインと換算)と、非常にシンプルな規格のはずなのに、どうしてこうも複雑な規格になったのかという疑問が上がった。

今回は、「USBのバージョンとPinの数」の軌跡を追いかけてみようと思う。Webで調べていると、ざっくり以下の世代に応じて「Pinの数」が変化している。

USB 1.0~1.1世代

    使用コネクタ: Type-A, Type-B

    ピン数: 4本

        VCC (電源)/D- (データ)/D+ (データ)/GND (接地)

USB 2.0世代 (MicroUSB, MiniUSB)

    使用コネクタ: Type-A, Type-B, Mini, Micro

    ピン数: 4本 (Type-A, Type-B) と 5本 (Micro-USB)

        VCC (電源)/D- (データ)/D+ (データ)/ID (Microのみ)/GND (接地)

USB 3.0世代 (USB3.0 TypeA, TypeB)

    使用コネクタ: Type-A, Type-B, Micro-B

    ピン数: 9本

        VCC (電源)/D- & D+ (データ, USB 2.0 互換性のため)

        TX (データ転送のためのペア1)/RX (データ受信のためのペア1)

        GND (接地)

        追加のTX & RX (データ転送/受信のためのペア2)

USB-C世代

    使用コネクタ: Type-C

    ピン数: 24本

        VBUS (電源)/GND (接地)

        CC1 & CC2 (ケーブルの方向や接続の役割を決定)

        D+ & D- (USB 2.0 互換性のためのデータピン)

        タイプCの配置を利用して、4組の高速データ転送ペア (四組のRX+TX)


さて、ぼんやりこのあたりのピンの用途を眺めていると、基本「D+/D-」という名称で使われていたデータピンに、さらに「RX/TX」という名称のデータピンが追加されている事がわかる。つまりバージョンが上がる都度、データ転送のためのピン(のペア)が追加されてきているというわけだ。

更に上記世代ごとの電源の仕様を調べると


USB1.0 & USB1.1世代

    電源: 5V, 最大500mA

USB2.0世代

    電源: 5V, 最大500mA (通常ポート), 最大1.8A (専用充電ポート)

USB3.0世代

    電源: 5V, 最大900mA

USB3.1世代

    電源: 5V, 最大2A または 12V/20V, 最大5A (Power Delivery仕様に従った場合)

USB-C世代

    電源: 最大5A, 20V (Power Delivery 2.0/3.0をサポートする場合)

    ※さらに、USB-Cは逆接続が可能なため、デバイスとホストが動的に役割を交換できる。


なるほど、USB3.1とUSB-Cだけ、やたらと電源に関して「変動可能」な値が多い。とはいえ、電源に関係するVBUSやVCCと言われるホット側の端子は一つ、さらにはGNDはどの世代でも一つなわけだ。増えているのは基本的には「D+/D-/TX/TR」といった「データ信号」として扱っている信号線に見える。

なので、それらを「除外」して各世代でPinをみると、何かしらか不思議なものがUSB-Cにのみ追加されている。


「CC1 & CC2 (ケーブルの方向や接続の役割を決定)」


ふむ。どうやらこのあたりが「鍵」のようだなぁと。

(続く)

2023/07/17

USBケーブルの謎 (1)

 

 世の中のすべては「見た目」では判断できない。 

 

その筆頭格にあたるのがUSBケーブルだと、私は最近信じて疑わない。元々携帯などで対応している高速充電器で「幸せになってやるZE!」と息巻いて結構お高いそれを買ったものの、見てくれすごく高級そうなUSBケーブルを使っていても、高速充電が全く始まらない。まるで、見てくれめちゃくちゃ可愛いのに、話しても全く面白くないし、勝手に酒を横でガバガバ注文する◯◯◯嬢のような奴が私のUSBケーブルコレクションに混じっていると疑い始めたのがきっかけ。

さて、じゃぁ、USBケーブルっていうのはどんな物があるのかと調べ始めると、以下のような解説ページが。

うん、そうだな。まるでどっかの場末の店の壁に張ってあるメンバリストのような(略
いや見てくれはいいのだよ、見てくれは。問題は同じコネクタ規格であっても、思った動作をするケーブルとしないケーブルが存在するという事なのだよ。

という事で、これを判定するにはどうしたら良いかという話にハッテンする訳なのです。敵を知り己を知れば百戦危うからず。という事でネットの海に繰り出して見つけたのは以下。


「1の赤と4の黒」の間に5Vの電圧がかかります。
「2の白と3の緑」は、データ伝送用の配線です。

ありがとう、おじいちゃん。USB Type-Aなんかの端子は4つしかないんだ。なんで、それなのに色んな事が起きるのか。

このあたりを読むと、結局1,4PINの間でのトータルの抵抗値は重要である模様。とはいえ、PDの充電ワットが変化するようなギミックとは無縁の模様。 さて、じゃぁ、なんなのか?
この記事でも書いてあるが

まず、USB充電は内部のコントローラチップで制御されている。充電電流とバッテリー電圧の上下を時系列で監視し、充電しながら満了のタイミングを計る仕組みだ(詳細はメーカーや機器によって異なる)。このとき電圧不足に陥ると、満充電のタイミングが不正となり充電が失敗してしまう。
そう、結構複雑な制御チップがあるのは薄々感づいていた。で、問題はそれらのトリガー信号や、プロトコルはなんなのかという所。

そして続く。

2023/07/02

虚詞幻韻(きょごげんいん)

 普段興味の持ったものや調べた事を取り急ぎメモりたいという欲求が急速に湧いてきて、ふとBlogを作ろうと思いこれを立ち上げた。 で、立ち上げの際に、「毒にも薬にもならない話」を載せるそれとしてタイトルを色々と考えたのだけど、どうにも語彙が少ないせいか中二病まっしぐらのなんのひねりのないものばかりを思いついてしまう。そんな私に蜘蛛の糸のようなそれを垂らすAI君を思い出し、色々と聞いてみたのである。

AI君、AI君。君は天才コピーライターです!「毒にも薬にもならない話」を載せるBlogを作りたいです・・・ このBlogのタイトルの候補を考えてください。 四字熟語とか、シンプルな物がいいなぁ。

その後も、依頼主の繰り返すドーデモよい執拗な質問から出てきな中で、ちょっとひっかかったのがこの「虚詞幻韻」という単語。気の弱いワタクシ、著作権とか商標とか、そういうの怖かったんで、そんな詞はどこにも存在しないことをGoogleで調査済み(ふっ)。AI君曰く、

「虚詞」は実のない言葉を、「幻韻」は幻想的な韻を意味します。これらを組み合わせることで、無意味だけど魅力的な詩的な言葉をイメージします。

なんだそうな。 うん、じゃぁ、これにしようか。なんか、選ぶ人が厨二病だから、やっぱりどこぞか厨二病臭がただようけど、ハッタリには十二分。なんか淡さがあってイイね。

まぁ、こんな感じで始まったBlogですが、一発目から流行り物でお茶を濁そうとしているあたり、「コイツ、いつまで書けるのかねぇ・・・」って感じですが、ヨロシクオナシャス。


USBケーブルの謎 (2)

 さて、前回までは、結局USBのTypeAという規格では、電源の+/-、 差動によるデータ線(差動なので、2本で1データラインと換算)と、非常にシンプルな規格のはずなのに、どうしてこうも複雑な規格になったのかという疑問が上がった。 今回は、「USBのバージョンとPinの数」の軌跡...